浸水、崩壊、土砂崩れ。
台風19号は個人だけでなく企業にも多大な損害を与えました。
その中でも大きな損害を被りそうなのがJR東日本です。
10月12日、JR東日本は投資家向けに「台風19号によるJR東日本管内の設備等の主な被害状況について」というニュースリリースを出しています。
リリースによると被害状況は以下のとおりです。
この画像を見るとかなり広範囲で損害が発生していることが分かります。
会計のルールでは損失はお金を払う時ではなく、「金額が見積れる時点」で計上しなければなりません。
JR東日本はこの被害の損失額を見積もることが出来るのでしょうか?
気になる損害額は
果たして損害額はどれくらいになるのでしょうか?第三者の視点から推測してみましょう。
長野新幹線車両センター
第三者からでも一番損失額を見積れそうな、北陸新幹線の浸水を例に考えてみましょう。
この写真を見ると7台の新幹線が水没しています。
新幹線の値段は1編成あたり約33億円と言われていますので、予想される取得価額は231億円になります。
被災時点で減価償却がどの程度進んでいるかは分かりませんが、修繕するにしても廃車するにしても、かなりの特別損失を計上することは間違いありません。
車両センター全体の復旧費と合わせると、この施設だけでも百億円規模の損失を計上する可能性もあると思います。
その他の施設
はっきり言って上記の写真から損害額を見積もるのは不可能です。
しかし、去年の西日本豪雨の影響でJR西日本が215億円の特別損失を計上していることから考えても、数百億円単位の損失になる可能性が高いと考えています。
参考までにJR西日本が西日本豪雨での被災状況を公開しているので、リンクを貼っておきます。これと対比して今回の損失額を推測してみてください。
JR東日本は損害額を見積れるのか
上記のように設備に大きな損害を受けたJR東日本ですが、10月28日に第2四半期決算短信の開示を予定しています。
開示まであと2週間もありません。
JR東日本はそれまでに台風19号による影響額を見積れるのでしょうか?
第2四半期では無理?
あくまで個人的な意見になってしまいますが、第2四半期決算で損失額を見積もるのは難しいと思います。
西日本豪雨は7月に発生していますが、7月末に開示した第1四半期決算短信では、損失額は「未確定」としていました。
ですから、今回のJR東日本も第2四半期決算では「損害額未定」とし、1月下旬に開示される第3四半期決算において損害額を開示するものと思われます。
その他の企業の損害
JR東日本は人々の生活と密接に関わっていることもあり注目されていますが、広範囲に損害がでていると言う事は他の企業にも損害がでていると言うことです。
工場が水没して操業停止になっている企業も多いでしょう。
このような状況は今月末から来月上旬にかけて開示される各企業の決算短信に記載されるはずです。
今まで決算には興味のなかった方も、一度決算短信を読んでみてはいかがでしょうか?
おしまい
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