高校野球が変わる 一人の男の決断が起こした新たな波

野球

2019年岩手県大会決勝、大船渡高校の国保監督は最速163キロを誇るエース佐々木を登板させないという決断をして敗戦。この決断は日本中に大きな議論を巻き起こしました。

甲子園出場か選手の将来か。

これは指導者であれば必ずと言っていいほど直面するジレンマです。しかし、この国保監督の決断は多くの指導者の方針に影響を与えました。

今年のドラフトでオリックスから育成2位で指名を受けた谷岡楓太を輩出した広島県の武田高校もそのひとつです。

オリックスに指名された谷岡投手

谷岡を育てた武田高校

武田高校は広島県の山奥にある高校で、野球に関してはまったくの無名校です。

学校が進学に力を入れており夜間も授業があるため、練習時間はなんと1日50分。その短い練習時間のために全体でのランニングやシートノックはありません。

では、どのような練習をしているのでしょうか?

部員ひとりひとりが練習コードと呼ばれる表の中からメニューを選択し、指導陣と面談を進めながら決めている。「今、何が必要なのか」を自ら考え、そして指導陣からの助言も受けることで、意図を明確にさせた短時間の練習は漠然とした長時間の練習よりも濃く、身になっていく。

https://number.bunshun.jp/articles/-/840177?page=2

つまり選手一人一人が自分で練習メニューを考えて練習をするというのがこの高校のやり方です。

この自分で考える練習法で谷岡は3年間で球速が125km/hから152km/hにアップし一気にドラフト候補に上り詰めました。

国保監督の決断が今後の方向性を後押し

谷岡を育てた武田高校の岡嵜監督も国保監督の采配に影響を受けた一人です。岡嵜監督は従来から選手の故障に関しては強く関心を持ち、怪我のリスクが高いと感じたときには谷岡に対しても投球禁止を指示していたといいます。

しかし、大船渡高校の国保監督の采配を見て「腹の決め方がすごい」と感じ、自分たちも甲子園よりも選手の将来を大切にしようと心に決めました。

「今年の我々は甲子園を頂点に考えすぎていましたが、(選手たち各自の)頂点の途中に甲子園がなきゃいけないと、あらためて強く思いました」

https://number.bunshun.jp/articles/-/840177?page=4

甲子園はあくまで通過点でしかない。

大船渡高校の国保監督が言いたかったことはまさにこのことかもしれません。

そしてその考えは確実に他の高校にも浸透しています。プロ野球選手を目指す中学生たちは甲子園重視と育成重視のどちらの高校を選ぶのか。

野球好きの一人として今後も注目していこうと思います。

(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

おしまい


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Ryuichi

4歳と1歳の二児の父。
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