今回の台風19号は各地に大きな被害をもたらしました。増水した川に流されるという事故も起きています。
我々はこのような災害から学ばなければなりません。
今回は「目の前で人が溺れていたら、どのような行動をとるべきか」について書いてみたいと思います。
人が溺れていたら
目の前で人が溺れていたら、まず以下の2点が大原則になります。
- 自分自身が落ち着く
- うかつに水に飛び込まない
目の前で人が溺れていたら自分もパニックになり、水に飛び込んで助けたくなりがちですが、着衣のまま泳ぐと言うのは訓練を積んだ救助隊員でも難しいことです。
うかつに飛び込まずに、まずは落ち着いて自分に何が出来るかを考えましょう。
まずやること
まずは溺れている人を落ち着かせて、安全な体勢をとってもらうことが大切です。
1. 溺れている人を落ち着かせる
大声で今から助ける旨を伝え、溺れている人を落ち着かせてあげましょう。
2. 頭を上流に向けるように指示
相手が落ち着いてきたら、頭を上流に向けるように指示をしましょう。これは岩などに頭をぶつけないためです。
役に立ちそうなものを探す
声がけが終わったら、「自分が何を持っているのか。自分の周りには何があるのか」を確認しましょう。救助に役立つ何かがあるかもしれません。
救助の役に立つ道具の一例としては以下のものが挙げられます。
ロープ

http://umeshima.shop-pro.jp/
普段はなかなか持っていないかもしれませんが、野外活動を行う際はロープを持参することをオススメします。救助をはじめ、あらゆる面で活用できます。
ロープで救出する際のコツは、溺れている人の奥に投げることです。
また、ロープの先に少し水の入ったペットボトルを結びつければ、ロープを投げやすくなりますし、投げたあとにペットボトルを浮き輪の代わりにすることも出来ます。
ペットボトル
ロープがない場合は、ペットボトルを投げ入れるのも有効な手段です。
ただし、空のペットボトルだと投げにくく、水が満タンだと浮力がなくなってしまうため、ペットボトルに少し水を入れて投げ入れるのが理想です。
溺れている人に手渡ったら、脇の下に挟むように指示をしましょう。

https://www.niye.go.jp/navi/outdoor/moshimo/
ペットボトル以外にもクーラーボックスなど浮力があるものであれば救出に役立ちます。
周りに何もない場合
周りに何もなくてもパニックにならずに、自分がやれることを探しましょう。
道具がない場合の手段の例としては以下のものがあります。
自分の衣類をロープにする
自分が着用している、ズボン、シャツ、ベルトなどを結び付ければそれなりの長さになります。
溺れている人までの距離が数メートル程度であれば、衣類をロープにするのもひとつの手段です。
ヒューマンチェーン
人が複数人いる場合は、ヒューマンチェーンをつくるという選択肢もあります。

https://www.niye.go.jp/navi/outdoor/moshimo/
この場合は、上記の写真のように隣の人と前後交互になり、手首をしっかりと握り合うことで強いチェーンになります。
このように、例え救助道具が見つからなくても、自分に出来ることはあるかもしれません。「自分には何が出来るか」を冷静に考えましょう。
まとめ
最後に目の前で溺れている人を見かけたときにとるべきステップをもう一度復習しておきましょう。
- 自分が落ち着く
- 相手を落ち着かせる
- 救助道具を探す
- 救助を実行する
決して何も考えずに水に飛び込んだりはしないようにしてください。
また、ここでは救助の方法しか記載しませんでしたが、「119番」(海の場合は118番)することも大切です。
状況を説明すれば、指示を受けられる可能性もあるので、出来るだけ早く119番することを忘れないでください。
くれぐれも自分の命を大切にしてくださいね。
おしまい
コメント